ここでは、インビザラインがワイヤー矯正よりも痛みを抑えやすいとされる根拠や、実際にインビザラインを行った人の口コミ・体験談を参考にして、インビザラインの痛みについて検証しています。
歯列矯正において感じる「痛み」は、大きく2種類に分けられます。
まず1つめが、歯が動いていく際に生じる痛みです。インビザラインに限らず、矯正治療では歯へ力をかけて強制的に位置を動かすため、どうしても痛みが発生する可能性が高まります。
2つめの痛みが、矯正装置が舌や歯茎、頬の肉などに当たって生じる痛みです。特に矯正装置の種類や部位によっては痛みが強くなることもあるでしょう。
インビザラインは、一般的にワイヤー矯正よりも痛みを抑えやすいとされています。その理由としては、まず矯正中に歯へかかる力の強さが挙げられます。
インビザラインは、複数のマウスピースを1週間~2週間程度という短期間で使い分けながら、矯正を進めていくことが特徴です。
対するワイヤー矯正では、1ヶ月単位で歯を強制的に移動させていくため、どうしても歯根へかかる力がインビザラインよりも強くなり、痛みも感じやすくなります。
また、ワイヤー矯正ではブラケットが唇の内側や舌に当たってしまい、痛みを感じることが少なくありません。
一方、インビザラインではマウスピースに金属部品が使われていないので、痛みが生じるリスクを抑えることが可能です。そのため、人によってはほとんど痛みを自覚しないこともあります。
注意しなければならないことは、インビザラインでも「無痛」であるとは限らない点です。 特に矯正範囲が大きい人や、そもそも痛みに敏感な人であれば、インビザラインでも痛みを感じることはあるでしょう。
インビザライン矯正治療を受けた方にアンケート実施した結果、痛みに関しては以下のような結果になりました。「痛みがなかった」、「少し痛みがあった」という方を合わせると80%以上になり、インビザラインが痛みの少ない治療法であることがアンケート結果からも見て取れます。
※痛みに関しては、歯列の状態や個人差があります。
私はインビザラインを1年間ほど行いましたが、矯正期間中の痛みは全く感じませんでした。ただ、オーラルケアや定期検診は徹底的に行いました。
私は通常よりも速いペースで、1週間に1度マウスピースを交換しています。新しいマウスピースへ交換した時はキツさがありますが、痛みは感じていません。
マウスピースを交換するたびに3日間ほど少し痛みがあります。そのため、16日ごとに3日間ずつ痛みがあるという感じです。ただし痛み止めを使うほどではありません。
インビザラインを無事に終えて一度は綺麗な歯並びになりましたが、その後のリテーナーをサボって後戻りが起きてしまい、久々にリテーナーを装着した時に痛みで涙が出ました。
矯正を開始した初期や新しいマウスピースへ交換した直後、久々にマウスピースを使用した時などは、歯の土台がしっかりしているので、どうしても痛みを感じやすくなります。ただし、矯正を継続することで徐々に痛みは減少することが通常です。
マウスピース装着中は歯ががっちりと締められているため、取り外す時に痛みを感じることがあります。また、取り外した直後はかみ合わせに違和感があり、痛みとして感じられることもあるでしょう。その他、その状態で硬い物を噛むとさらに痛みが増すかも知れません。
金属が使われていないマウスピースですが、マウスピースが舌に当たることで痛みを感じることがあります。また、マウスピースが変形してきちんと歯型に合っていないと、あごや歯茎に食い込んで痛みを感じることもあるでしょう。
矯正効果を高めるために、マウスピースに加えてアタッチメントという装置を使うことがあります。アタッチメントを使用するとマウスピースの効果が高められますが、そのせいで痛みも強くなることがあります。また、アタッチメント自体が口の中に当たって痛むこともあるでしょう。
インビザラインを始める前に、歯の移動スペースを作る目的で抜歯をしたり、歯の一部を削る(IPR)ことがありますが、これらの影響で痛みを感じることもあります。
矯正期間中に痛みを感じた場合、まずは痛みの原因を確認した上で、痛み止めが処方されたり、場合によってはマウスピースやアタッチメントの再作製が行われます。
インビザラインでは患者自身が積極的に治療を行っていくことが重要であり、強すぎる痛みは矯正を妨げる要因です。そのため、痛みを感じた時は症状が悪化する前に主治医へ相談するようにしてください。