インビザラインによる歯科矯正の効果について解説しています。
インビザラインはどれくらいの効果があるの?
ブラケットとワイヤーで固定するワイヤー矯正のほうが、効果が高いと思いがちですが、実際のところはどうなのでしょう。
インビザラインは、マウスピースを装着して、少しずつ歯を動かしていく矯正の方法です。ひとつのマウスピースをずっと使い続けていくのではなく、10日~2週間ほどのペースで新しいマウスピースへと取り替えていきます。
シミュレーションによって治療計画を割り出し、1つのマウスピースで動かす歯の距離を小さく設計。そのため、ほかの矯正治療よりも痛みが少ないといわれています。マウスピースの厚みも0.5mmほどなので、装着した時の違和感も少なめです。
はじめの頃はマウスピースを装着するのにきつさを感じることもあるようですが、3個目、4個目と進んでいくうちに、歯が動いている効果を実感し始め、装着時のきつさも軽減されていくことが多いようです。
治療が終わるまでに使用するマウスピースの数や、マウスピースを装着する期間は、人によって異なりますが、多くの場合、治療が完了するまでに、20~60個ほどのマウスピースを使用し、数カ月~2年くらいの期間がかかるといわれています。
軽度の矯正はもちろん、八重歯、出っ歯、受け口など、さまざまな症例において効果が出ているのだそうです。
治療期間が2年というと長い気もしますが、ワイヤー矯正の場合でも、表側であれば半年から3年、裏側となると4年かかる人もいます。それを考えると、2年という期間は決して長い時間ではありません。
治療期間を左右するポイントは?
治療期間は人によって幅がある
インビザラインでは、矯正終了までの期間がおよそ数ヶ月~2年程度、場合によってはそれよりもさらに長い期間の治療が必要です。
それだけの差が生じる理由としては、矯正前の歯並びの状態や、矯正する範囲が違うというだけでなく、適切な使用方法を守っているかどうかという点も考慮しなければなりません。
矯正前に抜歯や虫歯治療が必要
適切な矯正効果を得ようと思えば、まず歯を健康な状態に戻しておかなければなりません。また、事前の抜歯が必要なこともあるでしょう。
つまり、虫歯や歯周病の治療が長引いてしまったり、すんなりと抜歯ができなかったりすれば、それだけインビザライン矯正を始められる日は先になってしまいます。
なお、矯正途中で虫歯になったり事故で歯が欠けたりした場合、その治療を先に行わなければならず、状態によってはマウスピースを再製作しなければならない可能性もあるので、充分に注意してください。
使用方法を正しく守っていない
インビザライン治療が長引く原因として多いのが、使用者がきちんとインビザラインを装着していないというものです。
インビザラインは自分で着脱ができることが大きなメリットですが、決められた装着時間を守らなければ、再び歯が元の位置に戻ってしまっていつまで経っても治療が終わらなくなってしまいます。
インビザラインによる矯正期間は、使用者がどれだけ自己管理を行えるかという点にもかかっています。
治療期間が長くなる理由
矯正範囲が広い・矯正前の歯並びの状態が悪い
インビザラインは部分矯正から全体矯正まで幅広く使えますが、当然ながら矯正する歯の本数や移動させる範囲が増すほど、治療期間も長くなります。
インビザラインの「治療期間」に関するアンケート結果
インビザライン矯正治療を受けた方にアンケートを実施した結果、治療期間については以下のような回答を得ました。インビザラインの治療期間は前述したように個人差や歯列の状態、矯正の範囲によって違いがありますが、今回の調査結果では、数カ月から1年半という方多かったようです。
- 調査目的 : インビザラインに関するアンケート
- 調査期間 : 2019年11月15日(金)~2019年11月16日(土)
- 調査対象 : インビザライン矯正治療を受けたことのある方143人
- 調査方法 : インターネットリサーチ(当メディア調べ)
保定用装置(リテーナー)と保定期間
インビザライン治療では、ひとまず矯正期間が終わってからも、歯が元の状態に戻らないよう一定期間は歯を保定する必要があり、その際に使用されるのが専用の保定用装置(リテーナー)です。
個人差もありますが、保定期間は通常、矯正治療にかかった期間と同程度といわれています。
インビザラインの「保定期間」に関するアンケート結果
保定期間に関する調査では、以下のようにな結果になりました。治療期間と同様に数カ月から1年半程度が多く、治療期間に比例してることが見て取れます。
- 調査目的 : インビザラインに関するアンケート
- 調査期間 : 2019年11月15日(金)~2019年11月16日(土)
- 調査対象 : インビザライン矯正治療を受けたことのある方143人
- 調査方法 : インターネットリサーチ(当メディア調べ)
治療期間を短縮する方法も
矯正の内容によっては、歯が動きやすいように超音波メスで処理をしたり、歯に振動を与えて移動を促進したりと、矯正期間を短縮させる方法が使えます。
ただし、短縮方法は全ての人に使えるものではないので、まずは主治医にしっかりと相談して確認してください。
インビザライン体験談
矯正中の痛みに関する体験談
- 順調に矯正が進んでいて、今はマウスピース4枚目。下の歯で少しはめづらさもありましたが、少し頑張ったら無事に装着できました。今のところは痛みもほとんどなくて、これから先が楽しみです。
- インビザライン矯正を始めてから、ちょうど10個目のマウスピースになりました。これでようやく3分の1ほどですが、現時点では痛みもすくなく、とても順調に進んでいると思います。
- 昔にワイヤー矯正をしたこともありますが、平均的にはインビザラインの方がやや痛みも軽いかも知れません。しかし、痛みのピークで比較すれば、どちらも同じ程度のようにも感じられます。
- インビザラインが無事に終わって満足してしまい、ついリテーナーの使用をサボってしまいました。すると、歯が少しだけ戻ってしまい、改めてリテーナーを装着したら痛みで思わず涙が出ました。
見た目に関する体験談
- インビザラインを使っていてメリットだと思うのは、やっぱり目立たないってことですね。こっちから矯正しているんだと言わない限り、周りにいる人は誰も私がマウスピースをしているって気づきません。
- 現在10枚目です。正直、自分ではあまり変化を感じられていませんが、知っている人からは「歯が動いているね」と言われるようになりました。普段はインビザラインをはめていても気づかれることはありません。
- インビザラインを選んで良かった点は、他の人から矯正中だと思われないことです。私の場合、マウスピースをつけていても人に指摘されることはありませんでした。
治療期間に関する体験談
- インビザを始めて約半年。ようやく歯列が整ってきたかな~と感じられるようにはなりました。実際、最初に使い始めた頃よりも歯の見え方も変わってきたと思います。
- 7年ほど前にインビザラインを開始して、2年半後に治療を終えました。歯並びが整ったことには大満足ですが、40代で始めたせいか歯茎が後退してしまったので、もっと早く始めれば良かったと思います。
- 私の場合、月1回のメンテナンスと、2ヶ月ごとの歯科検診を続けながら、トータルで1年間ほどの治療期間でした。矯正中の痛みもほとんどなくて、仕上がりにも満足しています。
費用に関する体験談
- 私は2年半かけてインビザライン治療を行いましたが、費用は一括で支払って100万円でした。治療を開始したのが40代の前半でしたが、治療が終わると確かに歯並びが良くなっていて、本当に嬉しく感じました。
- 私の場合ですが、費用はトータルで税込71万円です。なお、全て込み込み価格なので追加費用がかからず、矯正完了後のホームホワイトニング費用も含まれています。
- ようやく始めたインビザラインですが、マウスピースは全部で22枚、費用は76万円でした。また、1~2ヶ月おきのメンテナンスごとに、再診料として500円がかかります。
食事に関する体験談
- インビザラインをスタートして以来、間食する習慣がなくなったせいか、あまりお腹が減らなくなった。
- インビザラインをつけている間は水しか飲めないので、とりあえず甘いペットボトル飲料を買うことはしばらくないでしょう。
- 食事の時にはマウスピースを外すので、インビザライン矯正中でも普通に食事して問題ありません。むしろ、以前よりも食後の歯みがきやフロスに気をつけるようになり、歯茎も健康になってきました。
抜歯に関する体験談
3年半前にインビザラインを始めた時、最初に4本を抜歯しました。ワイヤー矯正も試してみましたが、私にとってはインビザラインがベストだったと思います。
最初は抜歯が必要かなと思っていましたが、全体的に歯を削ることでスペースを確保できました。ただ、矯正前に口内環境を整えるのに1年近くかかりました。