インビザラインとワイヤー矯正など、ほかの歯科矯正との違いについて解説しています。
歯科矯正にはいくつかの種類がありますが、もっとも有名なのがワイヤー矯正でしょう。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを取り付け、ワイヤーを通して固定するもの。ブラケットの素材には金属、セラミック、プラスチックなどがあります。
金属製のものは比較的費用が安く丈夫ですが、目立ちやすいやすいというデメリットが。金属製のブラケットで目立つのがイヤという人には、審美性の高い、透明や白色のセラミックやプラスチック製のものもあります。
また、表側矯正よりも価格は高くなりますが、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に取り付ける裏側矯正(リンガル矯正)という方法も。表側からブラケットやワイヤーが見えないので、歯科矯正をしていることが気づかれにくいのが特長です。
ただし、リンガル矯正は通常の表側矯正よりも費用が高くなるため、上の歯は裏側矯正、下の歯は表側矯正というハーフリンガル矯正という方法も人気が高いようです。
ワイヤー矯正のほかには、マウスピースを使った矯正方法(インビザライン)があります。インビザラインの特徴は、透明素材のマウスピースを使っているので目立ちにくいという点。
取り外しも可能なので、食事の制限もなく、歯磨きなどのケアもしやすいというメリットも持ち合わせています。ワイヤー矯正の場合、金属アレルギーの人は利用できない場合がありますが、プラスチック製のインビザラインなら、金属アレルギーの心配もありません。
施術の種類 | インビザライン | ワイヤー矯正 |
---|---|---|
見た目 | 透明で目立ちにくい | 矯正装置が見える |
来院の頻度 | 2~3カ月に一度 | 毎月 |
通院時の診療時間 | 20~30分 | 1時間前後 |
治療期間 | 開始前にわかる | 治療終了までわからない |
痛み | 痛みが少ない | 調整後に痛む場合がある |
装着感 | 良好 | 擦れて口内炎ができることも |
衛生面 | 取り外し可 | 取り外し不可 |
ブラッシング | しやすい | コツが必要 |
虫歯や歯周病のリスク | インビザラインを装着中に飲食をしないため、ほとんどない | ブラッシングの仕方によっては高い |
しゃべりやすさ | 発音障害が若干ある | 表側装置はほとんどなし。裏側装置は発音障害あり |
インビザラインフルは、最も一般的なインビザラインであり、矯正のために製作できるアライナーの枚数が無制限という点が特徴です。
枚数が無制限で応用性に優れているため、上下の歯の全体的な矯正が可能で、例えば凹凸が激しい歯並びや、抜糸が必要な歯列矯正、奥歯も含めた矯正など、短期間の矯正では難しいような症例や、じっくりと時間をかけて矯正したいというケースにも対応しているというメリットがあります。
また、インビザラインでは矯正開始から5年以内であれば、アライナーの再製作について追加費用がかからないため、もしも予定通りに矯正治療が進んでいない場合や、矯正を中断しなければならない場合でも、臨機応変に対応できる点が魅力です。
インビザラインライトは、矯正治療がおよそ7ヶ月間で、必要なアライナーの枚数が14枚でまかなえる場合に用いられるインビザラインです。
コストを低く抑えることができる一方、インビザラインフルに比べてアライナーの数が制限されているため、通常、14枚以下で歯列矯正が完了する症例にしか使用できないという欠点があります。
ただし、治療期間中にアライナーを1回再製作できる保証があるため、治療後に追加で矯正が必要な場合や、ちょっとした修正が必要な場合でも対応できることは重要です。全ての歯に使えるものの、一般的には比較的軽度な前歯の凹凸や隙間、上下どちらかの出っ歯といった不正咬合の矯正治療に適しているとされています。
インビザラインi7は、インビザラインによる歯列矯正の中で、最も簡単に行えるとされている治療メニューです。
基本的にはインビザラインライトと同様に、前歯の凹凸やすきっ歯、多少のねじれや出っ歯といった、前歯の軽度な症例に対して用いられます。
また、歯列矯正だけでなく、矯正完了後に後戻りを防ぐことを目的として使用されることもあります。インビザラインi7が適用となるケースは、インビザラインライトよりもさらに治療期間が短い場合で、全7枚(治療期間役4ヶ月)で治療が完了する場合です。
また、対象の歯も前歯と第一小臼歯のみに限定される点が特徴です。一方、永久歯が生えそろう前段階で矯正を開始できるというメリットもあります。
インビザラインGOは、アライナーの枚数が最大20枚まで製作可能なインビザラインです。
アライナーの枚数だけで比べれば、インビザラインライトやi7よりも多くなっていますが、インビザラインGOは矯正対象となる歯について制限があり、例えば奥歯を移動させることはできません。
また、奥歯の位置を動かせないため、歯列矯正のためのスペースはIPRによって確保するケースが多くなるという点も特徴です。一方、奥歯を動かせないということは、奥歯は常に固定されているということであり、逆に奥歯を支点として周囲の歯を移動させられる点はインビザラインGOならではの特性といえるでしょう。
インビザラインファーストは、6~11歳の児童にも使用できるよう開発された、子供向けインビザラインです。
従来のインビザラインは、大人の歯列矯正を主目的とした治療法でしたが、インビザラインファーストは、最初から児童の歯列矯正を主目的として開発されました。
特徴としては、これまでは別々に行わなければならなかった「子供のあごのサイズを広げる矯正治療(第1期矯正)」と、「美しい歯並びを獲得する矯正治療(第2期矯正)」を、同時に行えるという点です。そのため、より効率的に子供の歯列矯正を進められます。
また、インビザラインは取り外し可能なマウスピース型矯正であるため、オーラルケアをきちんと行いやすいという点もメリットです。
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マウスピース矯正装置には、インビザラインの他にも複数の種類があり、特徴や矯正可能な歯並びも異なっています。 インビザライン以外のマウスピース矯正装置には、一例として以下のようなものがあります。
インビザラインと同様に、透明で薄く、審美的にも優れたマウスピース矯正装置です。
また、素材の弾力性を使って歯に力を加え、少しずつ歯を移動させていきますが、0.5mm~0.8mmの範囲で3種類の厚みがあり、厚さによって歯を押す力をコントロールすることが可能です。
ただしインビザラインと違って、アソアライナーの場合、通常は約1ヶ月に一度くらいの頻度でクリニックを受診し、その時々に歯型を取って新しいマウスピースを作成しなければなりません。つまり、結果的に通院回数もアソアライナーの方が多くなります。ただし、マウスピース自体の費用だけでいえば、一般的にアソアライナーの方がリーズナブルです。
その他の特徴としては、インビザラインと比較するとアソアライナーの方がややサイズが大きく、異物感を感じる人もいます。また、基本的にアソアライナーは前歯の矯正のような部分的矯正に適しているため、奥歯の矯正や重度な歯列矯正には不向きといえるでしょう。
>>株式会社アソインターナショナル公式HPはコチラスマイルトゥルーはアメリカ製のマウスピース矯正装置です。
薄く透明なマウスピースで、違和感や痛みといったストレスが少なく、3Dデジタル解析によって歯型取りも最初の1回だけで良いなど、インビザラインとの共通点も多いマウスピース矯正です。なお、歯型データはテキサス州にあるスマイルトゥルー本社へ送られ、そこで改めて最終的な歯並びがデザインされます。
また、スマイルトゥルーは費用がリーズナブルな点も特徴です。ただし、スマイルトゥルーの費用は矯正の難易度によって大きく異なり、難易度が高いほど費用も上昇します。さらに、条件次第ではインビザラインで矯正可能な患者も、スマイルトゥルーでは矯正できないといったケースもあり得るでしょう。
>>SMILE TRU JAPAN 株式会社公式HPはコチラプレオルソは、小児用のマウスピース矯正装置です。
プレオルソは生活習慣が原因で歪んでしまった歯並びの矯正や、成長期の出っ歯や受け口といった状態の改善に適しているとされています。 一方、プレオルソでは充分なスペースがなくて飛び出してしまった歯や、その場でねじれて生えているような歯の矯正には適しておらず、奥歯の矯正にもあまり効果を発揮できません。
>>「プレオルソ」を開発した大塚医師が在籍する大塚矯正歯科クリニックの公式HPはコチラ